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VDEC×CSO スターターズプログラム・夕方セミナーPartIが行われました(第3回:東北大学スタートアップ事業家センター 石田健太さん)(12/4)
学外から講師の方々をお招きし、これまでのキャリアの歩みや、どのように社会の課題と向き合い、価値を生み出してきたのかを伺う「スターターズプログラム・夕方セミナーPartI」。第3回は、東北大学の卒業生であり、東北大学のスタートアップ事業化センターに所属する石田健太さんを講師としてお招きしました。大学卒業後、就職、転職、そして起業を経験した自身のキャリアや価値の生み出し方について、お話を伺いました。

石田さんは、2014年に東北大学の文学部を卒業後、都内のベンチャー企業4社に勤務し、Webエンジニアリングやマーケティング、Webメディアの編集など、広い分野にわたり事業開発に携わってきました。2023年10月からは、EIR(客員起業家)として東北大学のスタートアップ事業化センターに所属。現在は、大学の研究シーズの事業化に尽力されています。石田さんは講演の最初に、「自分で課題を見つけ、価値を創造する姿をイメージできるようになってほしい」、「多様な働き方のイメージをより明確に持ち、何か一つでも具体的な行動を起こすきっかけを見つけてほしい」と呼びかけました。
社会に出るということは価値を創る側へのシフト
まずは価値創造について、社会に出るということは、これまでの「価値を消費する側」から「価値を創る側」へシフトすることだと話した石田さん。特にビジネスにおいては、「顧客が何に価値を感じてお金を出すのか」を考えることが大切だと強調しました。
さらに石田さんは、この顧客が感じる価値は「機能的価値」と「情緒的価値」に分けられると話しました。
機能的価値とは、製品が持つ実力や客観的で分かりやすい機能のこと。例えば、化粧品であれば「保湿ができる」「シミ予防」など、製品が持つ機能を指します。一方で情緒的価値とは、 「贅沢感がある」「プレミア感がある」といった解釈や感情のことです。
顧客にとっての価値を創造し、製品を売れる状態にするために必要なのは、まず製品開発によって機能的価値を作ること。次にそれに意味を付加し、PRやマーケティングによって情緒的価値を伝えることです。この流れを意識してビジネスモデルを立てることが重要だと話しました。
石田さんは、参加した学生に対して、「最近購入した商品やサービスについて機能的価値と情緒的価値のどちらの価値にお金を支払ったのか」をグループで考えてみようと問いかけました。北海道フェアでお菓子を購入したという学生からは、「空腹を満たす機能的価値、限定商品であるという情緒的価値の両方を見出だせる」、一方で別の学生からは「キャラクターグッズは情緒的価値に比重があるのではないか」などの意見が挙がり、グループワークを通じて価値に対する理解を深めていました。
大学の研究シーズを事業化する
現在、石田さんが取り組んでいるのは、工学部情報系の研究者を対象とした大学の研究シーズの事業化です。石田さんによると、研究シーズはアカデミックな価値はあっても、市場(顧客がお金を出す対象)から見ると価値がない場合があり、研究者や企業が研究成果の社会実装に苦戦している現状があるそうです。
それを改善するために、まずは研究シーズを「顧客の役に立つ」状態になるよう製品化し、その後に「価値がある」と伝えるための意味付け(マーケティング)を行うことが、社会的価値創造のプロセスであると解説しました。
石田さん自身も、東北大学の研究技術を活用して株式会社TouchStarを創業し、スマートフォン等の普及デバイス向け触覚変換技術の事業化を通して社会的価値の創出を目指しています。
困難をチャンスに変え、自分でキャリアを拓く
様々なお仕事を経験されてきた石田さんは、自身のキャリアを振り返り、「チャンスはいつもトラブルの顔をしてやって来た」と語ります。例えば、仕事で大きなトラブルに直面したとき。そのトラブルも、乗り切った後には、将来にわたって活用できるような希少価値のある経験へと変わったそうです。
具体的には、新規事業として化粧品関連の仕事をしていたとき、寄せられた沢山のクレームを、商品改善の貴重なデータとして活用し、化粧品事業の更なる改善につなげた経験を紹介しました。
キャリアにおいて、不利な状況や環境は避けがたく存在します。しかし、自分がそれをどう捉え、どう行動するのかは変えられる。困難を自分の成長のきっかけだと変換することで、自分自身でやりがいを創造し、成功の可能性を広げることができます。石田さんは、「チャンスは打席数に比例し、行動によって引き寄せることができる。できない理由は探せば無限に見つかるけれども、あえてできる道を探すために、まず自分が動いてみることが成功の鍵です」と学生たちに呼びかけました。

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