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VDEC×CSO スターターズプログラム・夕方セミナーPartIが行われました(第2回:Wasshoi Tohoku GroupグループCEO 齊藤良太さん)(12/1)
「ゼブラ企業」の目指すエコシステム
学外から講師の方々をお招きし、これまでのキャリアの歩みや、どのように社会の課題と向き合い、価値を生み出してきたのかを伺う「スターターズプログラム・夕方セミナーPartI」。第2回の講師を務めたのは、株式会社Wasshoi Tohoku GroupグループCEOの齊藤良太さんです。2016年に起業後、宮城県を拠点に観光や飲食、教育など様々な分野で地方創生事業を行い、「ゼブラ企業」という社会性と経済性を両立する企業グループづくりを目指しています。

齊藤さんは、地元である仙台の高校を卒業後、アメリカの大学へ進学しました。アメリカで多様な価値観に触れる中で、自身の日本に対するアイデンティティに気付いた齊藤さんは、日本のメーカーで働きたいと考えるようになります。
帰国後は日系企業である富士通に入社し、大学向けのシステムインテグレーション営業を経験しますが、アメリカで体感した多様性のある環境とのギャップに窮屈さを覚え、3年で転職を決意します。次に選んだのは、グローバルカンパニーであるMicrosoftです。そこでは、Windowsのマーケティング担当として、大きな予算を動かすというダイナミックなビジネスを経験しました。
齊藤さんの転機となったのは、2011年3月11日の東日本大震災です。当日、仕事の都合で偶然にも宮城県の沿岸部に出張していた斎藤さんは、自身は難を逃れたものの、地元である東北が甚大な被害を受けたのを目の当たりにし、地元に貢献できる大きなインパクトを生み出すことを志しました。そしてMicrosoftを退職し、2016年1月に会社を設立。東北でのUターン起業を果たしました。
齊藤さんが経営するWasshoi Tohoku Groupは、地方創生の分野で地域の様々な課題を解決するソーシャルビジネスを行っています。その事業分野は、観光、まちづくり、飲食、人材、教育など多岐にわたります。
Wasshoi Tohoku Groupが目指す企業の形として「ゼブラ企業」というものがあります。ゼブラ企業とは、経済成長と社会貢献のバランスを保ちながら事業を進める企業のことです。急成長して経済的な利益獲得を目指すユニコーン企業という考え方に対して、近年注目される考え方です。
そのために齊藤さんが構想しているのは、グループ企業経営をしながら、新しい事業を次々に生み出すこと。将来的には、100社規模の企業群をつくり、「社会的価値創造を持続可能にするエコシステム」を未来に残すことを目指しています。
2026年1月に設立10周年を迎えますが、これに合わせて齊藤さんは「東北ゼブラ会議」という数百名規模のイベントを仙台で開きます。経済性と社会性を両立する事業に取り組む実践者の方々を仙台に集め、ゼブラ企業という考え方を全国に広める機運を作って行きたいと話していました。

地方から生まれる社会的価値
質疑応答では、学生から、東京に資金、人材、情報が集まる中で、地方が持つ可能性や経済的なメリットを尋ねる質問がありました。これに対し齊藤さんは、「確かに人口減少は深刻で自治体は財政難で厳しい状況だが、新しい価値創造の機会にもなる。AIやIT、ロボットといったテクノロジーの必要性を高める要因となり、むしろ大きなビジネスチャンスをもたらすことが期待されます。」と話します。
齊藤さんが長年取り組んできた観光に関しても、地方には多くの観光資源があり、自然の中で過ごせる体験や食べ物のおいしさ、日本らしい価値観が残っていることを挙げました。
失敗を恐れずに挑戦し続けることの大切さ
齊藤さんが講演で繰り返し語っていたのは、挑戦することの大切さ。挑戦には失敗もつきものですが、「失敗を恐れず、早く、たくさんチャレンジ」すべきだと強調していました。質問でも「将来起業したいがビジョンが見えない。勉強を突き詰めるべきか、留学など他の分野にチャレンジすべきか迷っている」という質問がありましたが、齊藤さんの答えは「どっちもやったらいい」。学生時代には自由な時間がいっぱいあるため、早く行動し、多くの経験を積むことが大切。その時は「点」であったとしても将来的につながって「線」や「面」になり、自分のキャリアを形作っていくと話していました。
加えて、学生のみなさんは私よりも20年以上のチャンスがある。心からやりたいことが明確な場合は、「事業を作り、ぜひ起業してほしい」と呼びかけました。限られた人生の中で、目の前のことに全力投球していくことが、社会や未来に価値を残す道であると締めくくりました。


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